去年2015年 第63回も見学しました…
今回はきちんと独立書人団の本部に確認をして撮影させてもらいました。
公募展の書展の場合、ほとんどが撮影は可能で「不可」という書展はないのですが
やはり公式で申し込みをしまして快諾していただけるのはうれしいものです。
ありがとうございます。
会期: 平成28年1月6日(水)~18日(月) 12日(火)休館
会場: 国立新美術館 東京都港区六本木7-22-2
観覧料: 無料
新企画《新春 独立の小さな華》に注目
独立書人団は毎日系の中でも大手ですが、攻めているなといつも思います。
自由な風土もあるし、切磋琢磨している感じが書展でも伝わります(なんとなく)。
今回は新企画として「小さい作品」の募集も行っておりました。
新企画 《新春 独立の小さな華》
東京六本木の国立新美術館で開催する 第64回独立書展の会場に、あなたの「小さな華=小品作品=」を飾ってみませんか。今回、一般書道愛好者の方々を対象に、楽しみながら気軽に参加してほしいという願いをこめて本展展覧会場の1コーナーを開放し、標記の部門を新たに設け作品を募集することになりました。
小作品を募集しています。
公募展に参加するレベルの方には常識ですが、今の書道作品はとてもでかいんです。
凄い大きな作品でしょう?
「人がゴミのよう」とは酷い表現ですが、作品の高さは3mほどあります。
(1割しか展示されないんですって!大手でも50%の展示率なので凄い競争率です。)
この大作は1割程度しか展示されない狭き門で、企画として作者同士のディスカッションがあったので
動画を撮影しましたのでお時間のある方は、動画もご覧ください。
shodo.tokyo/archives/2479
一方、通常の作品でもこんな感じなので、でかいことには変わりありません。
これを飾れるご家庭は、そうそうないですよね?
飾るだけならいいのですが、この書展は試験も兼ねていますので、上位を狙っている人は
必ず出品します(入賞などして一定の点数が貯まると役職が上がる)。
つまり、毎年、このサイズの作品が手元に戻ってくるのです。
捨てるわけにも行かず、飾る場所もない→開かずの箱になるそうです。
そういう理由かどうかわかりませんが、今回は小さい作品も募集したようです。
サイズは「70cm✕70cm/140cm✕35cm(半切縦のみ)出品料5000円」となっていました。
小さい作品でもでかい!薄型テレビのサイズと比較
比較するとやや小さめになっていますね。
それでも、でかいです…でかいんですよ。
70cmの作品は額装すると90cm位になりますから、庶民の家では鑑賞するにはしんどいです。
どれくらいしんどいかというと…
参考までに4Kテレビのサイズで適正の鑑賞距離の早見表を作ってみました(笑)
【早見表付き】書道作品の適正距離は?テレビサイズと比較してみた
/
役に立ったら「応援」と思って「チャンネル登録」してーーー!
\
現代文体を中心に作品を紹介
独立書人団の独立書展は1人1点しか出せません。
意外かもしれませんが日本最大の毎日書道展は部門が違うなら複数出品が可能です。
(「2点出せば1点通過する(出品料を多く払う)」と言われています(笑))
各団体比較 大賞100万円!東京書作展 偶然?大賞が毎年同じ団体…
昨年は準会員以上を公開しましたが、今回は入賞しているものしてないもの交えて
「現代文体」部門を中心に紹介してみます。(最後に総評あります。ここで終わりじゃない!)
現代文体の全体での感想
毎日系に所属していますが「近代詩文」と言わず部門を「現代文体」としているだけあって、
現在では指導方法が確立している近代詩文書系統の作風はほとんどありません。
近代詩文や読売系の調和体に見られる続け字、崩し字を使った作品が少数派です。
これらは独立書人団の特徴だと思います。
書展中に行われたディスカッションの発言などから想像するに、現代文体は「可読性」について
一定の評価が入っているようです(他団体では可読性を審査対象としてない気がします)。
もちろん可読性を落として作品品質を第一にする考え方(業界全体では多数派)もあります。
この辺りの審査ルールのあり方が発表作品の作風に影響が出ていると思います。
私は、こっちのほうが嬉しいです!
産みの苦しみ?現代文体の指南者はよ!
近代詩文発祥の創玄書道会は、現在、石飛博光氏他がしっかりと押さえているように見えます。
独立書人団の現代文は、会員(>準会員>会友>一般の序列)でも挑戦や模索を感じます。
団体として現代文体部門の拠り所になる1つの軸を探している状態と思いました。
一方、「可読性を落として作品品質を第一」にする方は、「可読性」をによるメリットより
「可読性」を制限し作品の芸術性を上げられるメリットを取っています。
どっちが正しいということではないと思うのです。
ただ、「可読性と芸術性の両立」という壁は、かなり高いので大きな博打であろうと思います。
受験勉強を頑張って良い大学に入るか、得意分野を磨いて唯一無二の分野で1点突破するか。
こんなところでしょうか?
でも、もし、独立書人団の中で近代詩文とは違う現代文体の表現方法が生まれたら
受験勉強をがんばった東大生なんて足元にも及ばない大逆転です!
これだけ多くの方が「可読性」重視を掲げて作品を発表しているのですから、
いずれこの流れにいる誰かが超プラチナチケットを手にするのかもしれませんね。
コメント